アホ社長のブログ
離島採集記録17~沖縄県本島。
平成25年9月30日~10月4日、沖縄県本島。
今回は「沖縄県本島採集旅行」へ私(KOBA)と弟の蛇メタの2人で行く事になった。私達の遅い夏休みである。主な本島訪問として、平成15年(2003年8月)には家族と親族の9人で、平成18年 (2006年6月)には与那国島へ向かう前に仲間5人で、平成24年(2012年1月)には南大東島へ向かう前に蛇メタと2人で、今年(2013年2月)は大学での発表会の家内のお伴で、今回で7回目の本島訪問であるが採集では3回目である。
10月(秋季)に決行するのは昨年(2012年)に続き2回目であり、採集可能日数は3日間という余裕の無い中での決行である。私達 “アホ兄弟”に関しては経験上現地に到着できれば後は何とでもなる、というアホ的思考である(笑)。
今回は過去に採集・飼育経験の無いオキナワタテヅノマルバネクワガタ成虫と、ルイスツノヒョウタンクワガタ(沖縄本島産)の生態を現地で確認するための旅行である(種属名は最初のみ和名フルネームで2回目以降から短縮和名で登場)。このマルバネは秋季にしか出現しない南西諸島の数か所の離島にひっそりと生息する幻のクワガタである。 ルイスは1年中コロニーで成虫・幼虫と共に同所で生息する珍品のクワガタである。ルイスは過去に鹿児島県屋久島で採集・飼育しており、中之島産も飼育している。
マルバネ種族は採集禁止や天然記念物指定亜種も存在し、環境変化で絶滅する恐れがある希少種である。発生初期には夜間のみ原生林内の発生樹木に出現するのだが、毒蛇ハブに守られ、かつ夜間のため遭難や滑落等といった危険を伴う行程となる。何よりも度胸が試される勇者向きクワガタである。発生後期には路上等を徘徊する。効率はかなり悪いが安全な採集方法である。東日本のオオクワガタと西日本のマルバネクワガタが自然界の採集難度及び絶滅危惧種ということから最上級のクワガタとされている。
9月30日(月) 芽室(自家用車)→とかち帯広空港→東京羽田空港(昼食「サンドイッチ」)→沖縄那覇空港→送迎バス→レンタカー屋→高速道路→国頭村某ホテル。朝8時30分に自宅を車で出発。15時頃に本島に無事到着。気温30℃。この時期としては北海道の気温の2倍位である。レンタカー手続を終わらせ、那覇市から高速に乗って名護市で下車し、JA店舗内の食堂で夕食(沖縄そば+オリオンビール(私のみ))を取った後、国頭村の宿泊ホテル(ウイークリーマンション系)でチェックイン後、先に送付しておいた採集・登山用具等を車に積込み、20時頃に島内を下見に行く。全日程、蛇メタが運転した。
某林道の舗装道路上でいきなり無毒蛇のアカマタに遭遇(この日は2匹)。 独特の威嚇ポーズ(攻撃体制) をとっている姿に感動して2台のカメラで記念撮影!ここの林道ではレンタカー数台と遭遇。日本各地から来ている同業者達である。この時期になると外灯に昆虫等は飛来していない。路上を歩く黒いゴキブリがマルバネに似ていて騙される(苦笑)。疲れたので深夜2時頃に某コンビニへ寄ってから宿泊ホテルへ帰還する事に。
10月1日(火) 朝9時半頃に宿泊ホテルを出発。快晴である。某コンビニに寄り、「やんばる自然ガイドセンター」でマップを購入してから採集地の原生林内の下見に行く。オキナワヒラタクワガタ採集用に焼酎漬バナナトラップも数個仕掛けておく。16時頃まで下見をして一旦宿泊ホテルへ帰還。急いでシャワーを浴び、着替えてから名護市街へ向かう。
18時に名護市街の某中華料理店で知人達4人との食事会。今年2月に家内と本島に来た時にお世話になった著名女性と、十勝帯広市から約10年前に沖縄県に移住した男性との「地域間交流会」で大盛り上がり。私は飲酒状態。蛇メタは呑まないので運転が大助かり。次回の再会を約束して21時半頃に散会となり、一旦宿泊ホテルに帰還し、着替えてから夜間採集に行く。スコール後はカエルが大量に路上に出て来る。この日はアカマタ4匹と遭遇。余りの眠さのため帰還する事に決めた。
10月2日(水) 快晴で蒸し暑い。朝7時に宿泊ホテルを出発し、朝食を買いに某コンビニへ行く。高速を利用して那覇方面へ向かう。今回の目的の1つに廃墟探訪がある。世界遺産の「中城城跡(なかぐすくじょうあと)」と、隣接する美麗廃墟群の探訪である。どちらも平日なので貸切状態で堪能出来て満足。この後は、車で橋を渡って行ける離島巡りに。うるま市の平安座島→浜比嘉島→宮城島→伊計島へ渡り、戻って平安座島の海の駅「あやはし館」で昼食(沖縄そば)を取り、また離島巡りで屋我地島→古宇利島に行き、最後にはN岳へ向かう。
夕方の到着後、N岳の登山道脇に転がる腐朽した倒木を足で割るといきなりルイスの幼虫が現れた。蛇メタと材割すると幼虫と成虫が一緒にいるのが確認出来た。簡単に目的の1つが達成出来たので拍子抜けでもあるが、運が良かったのだと思う。ここでは2本の腐朽した倒木から成虫10、幼虫57が採れた。本島のルイスの生息数はかなり多いと思われる。
その後、某コンビニに寄ってから、やんばる原生林内に。日中はオキナワキノボリトカゲがあちこちで見られる。サバイバルグッズ・ フル装備で入山である。全てLEDでヘルメットに取付けたヘッドライト200ルーメン・ハンディライト280ルーメン・ 首掛用に改良したランタン300ルーメン、防水型GPS登山用ガーミン、帽子・首タオル・マリンブーツ・厚地のスポーツウエア上下、リュック(携帯食糧・飲料水・採集用具・カメラ等の機器)、登山用の杖等を装備。トラップでヒラタ♀1、ルッキングでヒラタ♀1とオキナワコカブトムシ♂♀1をゲット。マルバネは結局ポーズで宿泊ホテルへ帰還。この日はアカマタ1匹と遭遇。
10月3日(木) 採集のできる最終日。快晴である。朝9時に宿泊ホテルを出発し某コンビニへ。国頭村の道の駅内で御土産屋へ買い、ついでにトラップを見に行く事に。ヒラタ♀1のみで他に収穫無し。無毒蛇のリュウキュウアオヘビと遭遇。一旦戻って、道の駅に隣接する食堂で昼食を取る。ここの特産品である猪豚丼を食べた。イノシシと豚を掛け合わせた肉だが、どちらに近いかというとイノシシらしい。くせもなく美味しい。宿泊ホテルへ戻りフル装備に着替え採集に向かった。夜間の樹液ではヒラタ♂2を発見。その後も原生林内奥地までを大汗をかきながら徘徊するが、マルバネはいない(泣)。翌朝は速いので残念だが諦めて宿泊ホテルへ帰還する事に。国道では天然記念物である日本最大のケナガネズミに遭遇し感動。アカマタは5匹も遭遇。
亡骸も見当たらないので結論から言うと、まだ発生していないか、発生初期で少ないのか、探し方が下手か、又は運が無いのかである。本島はリベンジと観光等でまた何度も来る可能性があるのが救いである。
10月4日(金) 翌日に上陸予定の台風の影響で雨振り。朝7時頃にチェックアウトし出発。国頭村某ホテル→レンタカー屋→送迎バス→沖縄那覇空港(昼食「沖縄そば定食」)→東京羽田空港→モノレール→銀座某ホテル。那覇付近はやっぱり渋滞。早めに出発して良かった。疲れていたのか飛行機は全部寝ていた。本島滞在中は2~4時間の睡眠時間。この日の夜には東京都内で家内と「FPフェア」の参加ために合流する事に。
採集結果(朽木材割・トラップ・樹液・路上ルッキング)→ルイスツノヒョウタンクワガタ♂♀10幼虫59、 オキナワヒラタクワガタ♂2♀3、オキナワコカブトムシ♂♀1、不明幼虫2。
続きは次回に。
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