アホ社長のブログ

離島採集記録16~沖縄県石垣島。

平成24年10月29日~11月2日、沖縄県石垣島。

今回は「石垣島採集旅行」へ私(KOBA)と弟の蛇メタの2人で行く事になった。遅い夏休みで先に家内が沖縄県本島へPTA関係で訪問し、帰還後に交代での出陣である。平成14年(2002年7月末)には家族6人で、平成18年 (2006年6月末)には与那国島の帰りに仲間5人で、今回で3回目の石垣島訪問である。ここは観光リゾート地というより都会である。

10月~11月(秋季)に決行するのは初めてであり、採集可能日数は3日間という余裕の無い中での決行である。私達 “アホ兄弟”に関しては経験上現地に到着できれば後は何とでもなる、というアホ的思考である(笑)。

今回は過去に幼虫での採集・飼育はあるが、ヤエヤマタテヅノマルバネクワガタ(石垣島亜種) 成虫の生態を現地で確認するための旅行である(種属名は最初のみ和名フルネームで2回目以降から短縮和名で登場)。 このマルバネクワガタは秋季にしか出現しない南西諸島の数か所の離島にひっそりと生息する幻のクワガタである。

この種族は採集禁止や天然記念物指定亜種も存在し、環境変化で絶滅する恐れがある希少種である。発生初期には夜間のみ原生林内の発生樹木に出現するのだが、毒蛇ハブ(石垣島の場合はサキシマハブ)に守られ、かつ夜間のため遭難や滑落等といった危険を伴う行程となる。何よりも度胸が試される勇者向きクワガタである。発生後期には路上等を徘徊する。効率はかなり悪いが安全な採集方法である。東日本のオオクワガタと西日本のマルバネクワガタが自然界の採集難度及び絶滅危惧種ということから最上級のクワガタとされている。

10月29日(月) 芽室(自家用車)→とかち帯広空港→東京羽田空港(昼食「カツサンドイッチ」)→沖縄那覇空港→石垣空港→レンタカー屋→石垣市某ホテル。朝9時に自宅を車で出発。18時頃に石垣島に無事到着。レンタカー手続及び宿泊ホテルのチェックイン後、先に送付しておいた採集・登山用具等を車に積込み、石垣市内の某和食レストランで夕食(「八重山そばセット+オリオンビール」)を取り、21時頃に島内を下見に行く。全日程、蛇メタが運転した。

最初のY岳の舗装道路上でいきなり毒蛇サキシマハブに遭遇。 運転している蛇メタは気付かず尻尾の辺りをタイヤで踏んでしまった。大きいサイズの上に独特の威嚇ポーズ(攻撃体制) をとっている姿に感動して2台のカメラで記念撮影(危ないっス!)。ここの林道ではレンタカーが3台停車していた。日本各地から来ている同業者達である。見かけた一人はヘルメット付フル装備であった。次のN岳の舗装道路上では無毒蛇サキシママダラの大型サイズが冷えた路上で気持ちよさそうに寝ていた。この時期になると外灯に昆虫等は飛来していない。夏場には外灯付近で大量に見る害獣オオヒキガエルもいないが、川の近くでやっと発見。路上を歩く黒いゴキブリがマルバネクワガタに似ていてかなり騙される(苦笑)。疲れたので深夜1時頃に24時間ストアへ寄ってから宿泊ホテルへ帰還する事に。

10月30日(火) 朝9時半頃に宿泊ホテルを出発。先に某ドラッグストア(腰用コルセット・磁石ネックレスを予防購入)に寄ってから採集地の原生林内の下見に行く。林道脇の草むらで天然記念物の爬虫類セマルハコガメを蛇メタが発見。鳥類オオクイナも林道脇で発見。その後は沖縄県最高峰の「於茂登岳」の登山をする事に。毎度ここには来ているが登山は初。天気予報を確認してから登山を開始したが、途中から雨が降り出した。持参している携帯用レインコートを着て山頂を目指す。頂上では一寸の休憩後、大雨になって来たので急いで下山する事に。爬虫類サキシマキノボリトカゲの幼体が樹木裏の葉に摑まって数匹雨宿り、 爬虫類ミナミヤモリも樹皮の間で雨宿りしていた。大型のヤスデは樹木上で大量に見た。下山後、林道脇で倒木を見付けたので足で崩してみると八重山諸島亜種のサキシマヒラタ幼虫2匹と不明幼虫1匹が出現 (倒木下からヤエヤマサソリモドキも出現)。今回の島内発見第1号クワガタである。毎回石垣島に来ると採集しているクワガタなので、この3匹だけルアーケースで持ち帰り撤収する事に。

日中気温は23~26℃だが体感温度は雨のためか寒く感じる。夜間も同じく寒く感じる。下山して市内に戻っても大雨なのにテレビやネットの天気予報は終日曇りで「今日は洗濯物が乾きます」だって(苦笑)。雨が降る事が分かっていたら登山はしないわ(怒)。でも結果的に登って良かった。私は毎夜鍛えているせいかスタミナ的にも楽勝だが、運動不足気味の蛇メタは結構辛そうだった。

一旦、宿泊ホテルに帰還し着替えて前日の某和食レストランで夕食(「八重山そば+ミニネギトロ丼+オリオンビール」) を取る事に。雨は止まないので21時頃に強硬手段に出る事に。宿泊ホテルに戻り、サバイバルグッズ・ フル装備でY岳の原生林に入る事にした。全てLEDでヘッドライト200ルーメン・ハンディライト280ルーメン・ 首掛用に改良したランタン300ルーメン、防水型GPS登山用ガーミン(高価な商品だ!)、帽子・首タオル・マリンブーツ・厚地のスポーツウエア上下・レインコート、リュック(携帯食糧・飲料水・採集用具・カメラ等の機器)、登山用の杖等を装備。現地到着後(ホテルから車で約40分)は同業者一人が雨降りのためか、山奥から引き上げて来たので蛇メタが話しかけるとポーズとの事。焦るわぁ。

私達“アホ兄弟”もポーズを覚悟して入山したが、開始10分程で私が樹木洞で念願のマルバネクワガタ♂を発見した。漆黒の闇が好きなクワガタなのでライトを当てると逃げようとする。この発見場所が崖地のため無理をすると滑落する危険があり怪我は避けられない。何とか捕まえてから記念撮影する事に。どこの離島でもそうだったが、初めて発見した野生のクワガタには感動する。サイズは中型だが今回の目標が1つ達成できた(祝)。大雨には耐えられず、私達もこの1匹だけ採集して宿泊ホテルへ帰還する事に。

10月31日(水) 朝から大雨である。朝8時半に宿泊ホテルを出発し朝食を買いに某コンビニへ行く。その後、夜間採集の下見のため前日と同じ場所を範囲拡大して探索。レインコートが重宝する。残った時間は今後のためにN岳の下見へ向かう。ここは固有種チャイロマルバネクワガタの有名産地である。小型で昼行性のため天気の良い日は飛来している。だが大雨の恨めしい天候である。残念。

何もする事がないため0岳で適当に朽木材割採集を試みるが、レインコートを着ていてもリュック用レインカバーを持って来ていなかったため、リュックの中身がびしょ濡れである(悲)。防水機能の無い機器類が心配なので撤収する事に。とてもルアーケースやプリンカップ等をリュックから出せない程の大雨である。

一旦、宿泊ホテルに帰還し着替えて隣接レストランで夕食(「ゴーヤチャンプルー定食+グルクン+オリオンビール」)を取る事に。その後、また宿泊ホテルで着替えて大雨の中、防水機能の無い機器類をホテルに置いて決行する事に。現地に到着すると林道にレンタカーが2台停車していた。同業者の皆さんも同思考だなぁと。時間と旅費が雨降りで無駄になってしまう危機感。山奥の原生林に入ったが、同業者はもっと奥地で探索している。ランタンの灯りが上の方で2つ見えた。大雨というレベルではなく、もはやスコール以上のゲリラ豪雨である。耐えられず直ぐに撤収する事に(泣)。この日の天気予報は午後から曇りの予報。某コンビニへ寄ってから宿泊ホテルへ帰還。悔しい気分である。

11月1日(木) 採集のできる最終日である。朝から雨は止む気配がない。朝9時半に宿泊ホテルを出発。何もする事が無いので観光する事に。恒例の「川平湾」などへ行き(途中で天然記念物の鳥類カンムリワシに遭遇)、その後は前日に続きO岳で材割採集する事にしたが、雨の中ではモチベーションが上がらず撤収する事に。宿泊ホテルに帰還し着替えてから市内観光をする事にした。早目に有名店で夕食(ソーキそば御膳+石垣地ビール)を取り、恒例の御土産屋へ行く。17時頃に雨が止んだため、急遽宿泊ホテルへ戻りフル装備に着替え急いでY岳に向かった。

原生林内は草木がびしょ濡れだろうが、雨さえ降っていなければ有難い。この時期、石垣島は日没が18時半頃なのでそれを目指して現地に向かう事に。既に林道にはレンタカー4台があり、同業者達は原生林奥地に入っているようだ。2台の車には大量の同業者が乗っていた。こうなると早いもの勝ちである。原生林奥地に入り、道なき道を進み、1本づつ洞のある樹木を見て行く。蛇メタが崖地の洞のある樹木でマルバネクワガタ♂を発見(祝)。慎重にカメラ撮影してから捕獲する。滑落したら多分死ぬだろうという場所。初日の採集と同じような感じである。サイズは中型である。ここでプチ遭難している事に気付いた。ヤバい(汗)。GPSガーミンのポイント登録地点と軌跡を見ながら暗闇の中を慎重に林道へと向かう。何とか無事に林道へ戻る事ができた。流石GPSガーミンである。

原生林内に戻るのも面倒なので車で移動する事に。過去2回の樹液採集でサキシマヒラタクワガタを採集している場所に行くと、小型のサキシマヒラタクワガタ♂が1匹付いていた。季節外れでも少ないながら活動しているようだ。ここは3回ともハズレなしである。雨が止んだためか林道には無毒蛇サキシママダラやカエルが出現していた。カエルの多さには唖然である。これらも貴重なカエルだと思うが。大雨中は蛇には全く遭遇しなかった。変温動物のためヤツらも濡れたくないのかも。 

11月2日(金) 石垣島某ホテル→レンタカー屋→石垣空港(昼食「八重山そば」)→沖縄那覇空港→東京羽田空港(夕食「富山ブラックラーメン」)→とかち帯広空港→芽室(自家用車)。この日は朝から曇りである。帰る時に雨が止んでもなぁ。午前11時頃にホテルを出発した。疲れていたのか乗物はほぼ寝ていた。

帯広に着くと寒さに感覚が麻痺(同じ日本国なのか?)してしまう。自宅到着は21時頃だった。これで今年2度目の離島採集旅行は終った。過去最悪の天候であった。その辛さや悔しさが思い出に残り、私達“アホ兄弟”を更に進化させると思う(笑)。次回(2013年)の採集旅行等は現時点では未定である。もし決行可能ならまた秋頃かなぁ。

採集結果(原生林樹木ルッキング・朽木材割・樹液)→ヤエヤママルバネタクワガタ♂2、 サキシマヒラタクワガタ♂1幼虫2、不明幼虫1。

続きは次回に。

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